東京トロンボーンオーケストラのレコーディングに参加しました!

東京トロンボーンオーケストラのレコーディングに参加しました

今回は、いつもお世話になっている東京トロンボーンオーケストラのレコーディングに参加しました。
こちらの団体は以前のブログで紹介しているので、今日は省略しますね。

レコーディングは前回12月に行われたコンサートでも演奏した第九を中心にバッハからジャズのナンバー、委嘱作品(この団体の為に作曲された作品)までを丸2日かけて撮ってきました。

ブリッツフィルやスタジオのお仕事、他の団体でもレコーディングを行なったことがありますが、トロンボーンだけで大きい編成でも20人と言うのはなかなか難しいところがあります。

音程やニュアンスはしっかり合わせなくてはいけませんが、音を出すタイミング(縦の線を合わせるという言い方をします)がずれてしまうと聞きにくい箇所になってしまい、撮り直しが増えてしまうんですね。
普段のステージ上で吹いているのと違い、とても集中力のいる演奏です。

全体を通して大変でしたが、特に苦労したのがバッハの「ブランデンブルグ協奏曲」とC.Vollrathの「ジャズコンディメンツ」です。

ブランデンブルグ協奏曲はヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの弦楽器で演奏されるオリジナルを11人のトロンボーンで演奏する為に編曲したものなんです。

パッセージが細かく音域も幅広いので、自分のパートを吹くのもたくさん練習が必要な程難しいです。

合奏になると各声部に旋律があり、その旋律も何名かに分担されているためワンフレーズに聞こえるように演奏する必要があります。

自分の譜面の音だけを吹いたら終わりとはならないんですね。自分の前に吹いている人のニュアンスに合わせ、上手くバトンを受け継ぎ、次に繋がることを意識して音の処理をしなくてはいけません。

それから、元々が弦楽器という事も考えて演奏しないと曲の持つ雰囲気を壊してしまいます。この曲の場合鳴らし過ぎてしまうとダメなんですね。

ついついフォルテの音量表記を見てしまうとガツンと吹きたくなってしまう私ですが、全体の音量バランスには特に注意しました。いい音を出すことは忘れずに。

もう一曲挙げた「ジャズコンディメンツ」ですが、こちらはブランデンブルグ協奏曲とガラリと変わって、5人ずつ4つのグループで演奏します。複雑なリズムとグループを代わる代わる移るメロディーが曲の面白さだと思います。

グリッサンドやフラッター、バストロンボーンにはペダルトーンがたくさん使われていて、ミュートもストレート、カップ、ハーマン、プランジャーと様々。

一度聞いた時は不思議な曲に聞こえると思いますが、聞く回数が増える度にいろいろな技法やミュートによる効果がわかっていただけるのではと思います。

この曲で大変だったのは、リズムが複雑なのでタイミングを合わせることですね。

テンポの中でカウントを細かく取り、リズムを正確に。同じ動きを吹く人と息を合わせることを意識して演奏しました。

アンサンブルで大事なのは音を外さずに吹くのはもちろん、周りとどれだけ合わせられるかなんですよね。

東京トロンボーンオーケストラのレコーディングに参加しました

今回のレコーディングは体力的にとても大変でしたが、充実した2日間だったと思います。今からCDになるのが楽しみです。

なかなか他にはない、トロンボーン奏者が20人集まって演奏したCDです。
発売日にはお知らせしますので是非皆さんにもトロンボーンの魅力が詰まった1枚を聞いていただきたいと思います!