「やまと 第九」に出演しました!

今年も第九の出演依頼を受け、12月10日に大和市の新しくできたホールで演奏してきました。
できたばかりのホールはピカピカで綺麗。響きもとても良く、ホールの中央に音が集まっていくような印象を持ちました。

以前も第九について書きましたが、何度吹いても緊張しちゃいますね。

やはりお休みしている楽章があったり、出番のある楽章も吹く箇所が来るまでが長かったり、バストロンボーン一人で演奏するからなんでしょうか。

2楽章のプレストに入って3小節目にDの音を出す箇所、4楽章の有名な「第九のメロディー」が終わった後、バストロンボーンは場面を変えるところに使われています。

それまでの曲調を変える役割で登場するから緊張するのかもしれませんね。

本番当日は気持ちのいい晴れ。風は冷たいけど空気が澄んで綺麗な青空でした!
絶好の「第九日和」でしたよ。

ゲネプロ(通し稽古)では4楽章のアンダンテ・マエストーソの男声合唱と演奏する部分でアルトトロンボーンの方から「Eの音に上がる時に、何か迷ってるみたいだね」と声をかけられました。

確かに音量が大きすぎていないか、ニュアンスなどがチェロとコントラバス、合唱と合っているか。指揮者から指示が出ていないかなどいろいろ考えながら吹いていました。音に出ていたんでしょうね。

もう一度その箇所を吹いた時に、Eの音を外してしまいました。
「余計なこと言ってごめんね」と言われましたが、やはり何か余計なことを考えていたから音を外したんじゃないかと思います。

本番ではゲネプロで音を外している分、2楽章からドキドキが止まりませんでした。
何とか2楽章を無事に吹き終えて、3楽章の美しいメロディーを聞きながら少し緊張をほぐします。
4楽章が始まるとオーケストラ全体にも緊張感が広がります。

チェロとコントラバスのレチタティーボからバリトンのソロ、「友よ、こんな調べではない。
もっと楽しい歌を歌おう。
喜びに満ちた歌を」と始まり合唱、ソリストが歓喜の歌を歌います。
私も何度となく第九を演奏しているので、全部ではありませんが一緒に歌っているんですよ。

さあ、有名な「第九のメロディー」が流れ、私はまた緊張が高まってきます。
音を外すかもしれない…でも迷わず、自分の出せるいい音で吹けば大丈夫!自分に言い聞かせてブレス。
「抱かれよ。数多の者よ。この口付けを全世界に!」
私も男声合唱の皆さんと一緒に、そしてガイドになるように吹きます。
その後はトロンボーン3人が各声部と一緒にハーモニーを組み、合唱と共に盛り上げていきます。

緊張はここまでがピークなんですが、この先のフーガは集中力を切らしてしまうとミスをしてしまうので気を抜くことができません。
フーガを終えて、ソリストが素晴らしく歌い上げフィナーレを迎えます。
合唱もオーケストラも一体となって最後の一音まで歌います。

最後の一音が鳴り終わり、大きな拍手に包まれると緊張が解け達成感に変わるんですよね。
この瞬間がとても幸せです。
一緒に演奏したトロンボーンのお二人からも「素晴らしかった!Sarshi!」と言ってもらうことができて、これ以上に嬉しいことはありません。

何度お仕事が来ても緊張する第九ですが、やはり演奏を終えて「良かったよ」と言ってもらえると、演奏をするというお仕事を続けていて良かったなと思います。

次回はトロンボーンだけのアンサンブルで第九を演奏します!
全部ではなく抜粋してトロンボーンだけでアレンジされたものを演奏するんですが、今からどんな演奏になるか楽しみです。
そちらのレビューのお楽しみに!!